体をトーンアップさせ、引き締め、しなやかに伸ばしたい? それなら「バー(Barre)」が最適なワークアウトになるはずだ。バレエの動きにインスパイアされたこのエクササイズは、実は数十年前から存在している。しかし、関節への負担が少ない「ローインパクト」でありながら、確実に体に効く動きとアップテンポなクラス編成が支持され、近年再び大きな注目を集めている。アメリカでは2021年だけでも360万人以上がバーのレッスンに参加したというデータもあるほどだ。
<専門家の紹介> ドミニク・クラーク氏:公衆衛生学の修士号を持ち、全米で人気のバー・スタジオ「ピュア・バー(Pure Barre)」のトレーニング・エボリューション・スペシャリスト。約4年にわたりインストラクターとして指導にあたり、現在はサンディエゴの「ピュア・バー・イーストレイク」などでリードティーチャーを務める傍ら、本部のトレーニング・技術チームでも活躍。
「バレエ・バー・エクササイズ」とは?
「バーとは、バレエ、ピラティス、ヨガ、そして筋力トレーニングの要素を融合させたユニークなワークアウトです。等尺性収縮(筋肉の長さを変えずに力を入れる動き)とダイナミックな動きを組み合わせ、体を引き締めるよう設計されています」と語るのは、ピュア・バー(Pure Barre)のインストラクターでトレーニング・スペシャリストのドミニク・クラーク氏だ。このメソッドにより、ヒップ、太もも、お尻、腹筋、腕など、全身の主要な筋肉を網羅的にターゲットにできるのが魅力だ。
「目標は、筋肉が完全に疲労するまで動かし続けること。身体的にも精神的にもスタミナに挑戦し、時間をかけて持久力と筋力を養います」とクラーク氏は付け加える。バーのレッスンでは姿勢とアライメント(骨の配列)も重視される。ダイナミックな可動域で動くことで、柔軟性が高まり、バランス感覚が向上し、心身のつながりも深まるという。クラーク氏が挙げる主なメリットは以下の通りだ。
- 筋肉、骨、関節を強化する
- 柔軟性と可動域を広げる
- エネルギーを高め、気分をリフレッシュさせる
- 不安を和らげ、ストレスを軽減する
- 質のよい睡眠を促進する
- 血行を改善する
- 楽しくて協力的なフィットネス・コミュニティに出会える
バー・エクササイズが初心者にもおすすめの理由
バーは衝撃の少ない運動なので、あらゆるフィットネスレベルの人に適している。「強度の調整が容易で、インストラクターが個別の修正案を提示してくれることも多い」とクラーク氏。「体形にメリハリをつけ、筋力と持久力を高め、柔軟性とバランスを向上させます。さらに、骨や体幹を強くする効果もあります。自信と自尊心の向上につながるのも、バーの大きな利点です」
また、バーは他のスポーツの「クロストレーニング」としても優秀だ。持久力の向上はランナーに恩恵をもたらし、柔軟性はヨガに活き、可動域の拡大は日常生活の動作を楽にしてくれる。
バー・エクササイズの基本の流れと持ち物
一般的なスタジオのクラスは45〜60分だが、最近はフィットネスアプリなどのデジタルプラットフォームで10〜30分の短時間クラスも増えている。
【レッスンの基本的な流れ】
- ウォーミングアップ
- 上半身のシーケンス
- 下半身(脚・お尻)のワーク
- コア(腹筋)のトレーニング
- クールダウン
【用意しておきたいアイテム】
- レギンス: 動きを妨げない、体にフィットしたものがベスト。膝をつく動作があるため、ショートパンツより長めの丈がおすすめ。
- 吸汗速乾性のシャツ: 汗をかいても快適なもの。前屈みになった時にめくれない、フィット感のあるタイプがよい。
- グリップ付きソックス: 足元が滑るのを防ぎ、安定性を高めるために重要。
- ヨガマット: 自宅で行う場合も、クッション性のあるマットは必須だ。
- 水とタオル: 小さな動きの連続だが、想像以上に汗をかく。
自宅で行う場合は、専用のバーの代わりに「安定した椅子」や「キッチンのカウンター」で代用可能だ。
バー・エクササイズ動画をみながら自宅で実践できる
スタジオに通えなくても、自宅で簡単にオンラインで質の高い動画を視聴しながら、エクササイズを行うことができる。アクション・ジャクリーン氏(Action Jacquelyn)はYouTubeで16万人以上の登録者がおり、無料配信中だ。初心者でも始めやすい。
バー・エクササイズの4つのポイント
クラーク氏によれば、バー特有の用語や「小さな動きで筋肉を刺激する感覚」を掴むには、3〜5回程度の練習が必要だという。「正しいフォームと可動域を守ることで、怪我を防ぎながら筋肉を限界まで追い込めます」。彼女が教える、初心者のためのポイントは以下の通り。
- 体幹を意識する: 大きな動きや勢いに頼らず、正しいアライメント(姿勢)を優先する。
- 自分のペースを守る: 疲れたら短い休憩を挟んでもOK。
- 首を痛めない: 腹筋運動の際は、首ではなく腹筋の力で上半身を持ち上げる。
- プランクは無理をしない: 膝をついてもいいし、妊婦や肩に痛みがある人はカウンターに手をついて立ったまま行ってもよい。
バーは単なるエクササイズではなく、自分自身の体と向き合う時間だ。まずは自宅の椅子を支えに、数分間のプリエから始めてみてはいかがだろうか。
※この記事は『Good Housekeeping』の翻訳をもとに、ウィメンズヘルス日本版が編集して掲載しています。









