50代で筋力をつけるためには間違いなく努力が必要。しかし、いくつかの習慣を身に付ければ、加齢の影響を抑えながら健康状態を上げていける。

現実問題として、筋委縮は30歳頃から始まり、更年期にエストロゲンが減ることで加速する。また、年を重ねると骨密度が低下して、臓器の動きも少しずつ悪くなる。運動に対する体の反応も年と共に変わるけれど、50代以降でも、しっかりと筋力をつけ、加齢に伴う筋肉の減少を遅らせることは可能。パーソナルトレーナーのウォン・ドレゴフスキー博士によると、筋肉を増やして健康状態を改善するのに、複雑なルーティンは必要ない。

つい先日、ドレゴフスキー博士はインスタグラムで「53歳になっても引き締まった強い体」を維持するために続けている6つの習慣をシェアした。「50代でフィットな体を維持することは間違いなく可能ですが、偶然には起こりません。それを可能にするのは、遺伝でも運でもなく、毎日の習慣と一貫したライフスタイル。それだけは確かです!」

ドレゴフスキー博士のメソッドは、科学的に裏付けのある日常的な習慣をベースにしている。その習慣は、長生きや健康促進のため、英国民保健サービス(NHS)を含む多くの保健機関も推奨している。

50代で筋力をつけるための6つの習慣

1.1日1時間のウォーキング

「私は毎朝、外を1時間歩きます」とドレゴフスキー博士。「それで心理的にも身体的にも自分の調子が整います」

NHSによると、たった10分の速歩きにも健康を促進する効果がある。そして、定期的なウォーキングは心肺機能を高め、筋肉と骨を強くして、バランス感覚とコーディネーション能力を改善する。医学誌『JAMA Internal Medicine』に掲載された2019年の研究でも、1日4400歩を歩く高齢女性は、それほど歩かない女性に比べて死亡率が低かった。

2.栄養たっぷりの食事

「食べる物には気を付けていて、基本は自然食品です」とドレゴフスキー博士は続ける。

また、タンパク質は1日120~130g、食物繊維は1日25~30g摂るようにしているそう。「精製糖と重度の加工食品は最小限に抑えています」。タンパク質は筋肉の維持、修復と成長に欠かせないので、年を取ってからは特に適切な量を毎日しっかり摂取することが大切。

3.毎日のモビリティトレーニング

「毎朝、寝室を出る前にモビリティトレーニング」をしているというドレゴフスキー博士。「それでリフティングのパフォーマンスや日々の体調が大きく変わります」

モビリティトレーニングは、リカバリーの促進とケガの予防に役立つ。「可動域の中で関節を動かすと、軟部組織が活性化され、より多くの筋肉に負荷が分散されるようになるので、特定の筋肉にかかるストレスが減ります」と説明するのは、パーソナルトレーナーのアンディ・ヴィンセント氏。「また、可動域を広げると、毛細血管にかかる圧力が下がり、血行が良くなります。その結果、リカバリータイムからメンタルヘルスまで、血行に関するあらゆる面が改善します」

4.定期的な筋力トレーニング

ドレゴフスキー博士は、45~60分のウエイトトレーニングを週に4回行っている。「時間がないときは、セットやエクササイズの数を減らして終わりにします。完璧である必要はありません」

NHSのガイドラインは、19~64歳の成人に対し、主要な筋肉群を対象とした筋力トレーニングを週2回行うよう勧めている。

また、老化学術誌『Archives of Gerontology and Geriatrics』に掲載された論文によると、レジスタンストレーニングは、高齢者のサルコペニア(筋肉減少症)の筋力と筋量を著しく向上させる重要な介入手段。

5.休養を優先する

「ジム漬けの生活はしていません」とドレゴフスキー博士。「休養日は大切なので、取ることに罪悪感を感じる必要はありません。必要なら予定外の休みも取ります。体の回復状態に注意を払うことが大切です」

また、ドレゴフスキー博士は1日最低7時間は寝るようにして、ストレス管理を優先している。

6.ゾーン2の有酸素運動

ドレゴフスキー博士は、ゾーン2の有酸素運動を週に2回行っている。「このトレーニングは、リカバリー、筋力、持久力、体組成に予想以上の効果があります」

ゾーン2の有酸素運動とは、最大心拍数の約65~75%で行う有酸素運動のこと。具体的には、速歩きや上り坂のウォーキング、ゆっくりしたジョギングなどで、ミトコンドリア機能やインスリン感受性を改善し、リカバリーを促進する。



※この記事はイギリス版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Abbi Henderson Translation: Ai Igamoto